プレスリリース

2021年7月27日
東レ株式会社
東レ・デュポン株式会社
東レハイブリッドコード株式会社

環境負荷物質不使用かつ植物由来成分を原料とした新たなゴム補強材用接着剤と接着技術の開発

 東レ株式会社(本社:東京都中央区、社長:日覺昭廣、以下「東レ」)は、環境負荷物質不使用かつ植物由来成分を原料とした新規接着剤を開発し、東レ・デュポン株式会社(本社:東京都中央区、社長:畑愼一郎、以下「東レ・デュポン」)および東レハイブリッドコード株式会社(本社:愛知県西尾市、社長:鈴木晃、以下「東レハイブリッドコード」)は、その接着技術を確立いたしました。

 東レは、この度、長期的に暴露した場合に身体に影響を及ぼす可能性があるレゾルシン・ホルムアルデヒド(RF)を含まず、かつ、植物由来成分からなる環境配慮型のゴム補強繊維用の新規接着剤を開発しました。また、東レハイブリッドコードにて本接着剤を使用したゴム補強用繊維製品(コード)の加工生産のための新たな接着技術を確立し、東レ・デュポンが製造販売するアラミド繊維への加工など、東レグループの保有する高機能繊維を用いたゴム補強用繊維製品(コード)のラインナップを拡充いたします。東レグループは、産業界で幅広く使われるゴム補強用繊維製品について、接着加工プロセスでの環境負荷低減と非石化原料の接着剤を使用することによるGHG排出量削減の両方で地球環境問題の解決に貢献いたします。

 タイヤや自動車用ホース、自動車用ベルトなどのゴム製品には、補強材として合成繊維(ナイロン、ポリエステル、アラミド等)が広く使用されています。これらのゴム製品を補強する場合は、合成繊維とゴム組成物を接着させる必要があり、その接着剤として、レゾルシン・ホルムアルデヒド・ラテックス(RFL)接着剤が80年以上もの長期にわたって広く用いられてきました。しかしながらRFは、内分泌かく乱といった身体の負担への懸念や、近年の環境意識の高まりを受けた環境によりやさしい接着剤へのニーズの増加により、RFを含まない新規接着剤の開発が求められてきました。

 今回、東レが開発した接着剤は、従来から保有する合成繊維とゴム組成物を接着する基本技術をベースに接着剤の組成の最適化を行うことにより、RFL接着剤と同等の接着性能を有しながら、RFを含まない新規の接着剤です。これにより、合成繊維への接着剤加工プロセスでのRFの排出を抑えることで環境負荷を低減することができ、また接着剤の成分に植物由来原料を用いることから、従来の手法に比べGHG排出量を抑えることができます。
 さらに、この接着剤は、炭素繊維やビニロン繊維等の他の合成繊維とゴム組成物の接着にも用いることができ、非常に応用範囲が広いことも特徴です。

 東レグループは国内において原糸の開発、生産、接着技術開発、接着加工生産(タイヤコード・ゴム資材補強コード生産)の一貫体制を有し、お客様の多種多様なニーズに対応する技術を開発し素材(コード)を販売しています。今回開発した新たな接着剤は、コードの生産時に既存の生産設備を活用できることから、今後の合成繊維とゴム生成物の接着における標準的な加工材料として活用し、お客様のニーズに応じた種々のコードの開発と販売を進めてまいります。

 東レグループは、世界が直面する「発展」と「持続可能性」の両立をめぐる様々な課題に対し、革新技術・先端材料の提供によって、本質的なソリューションを提供していくことを使命と考え、「東レグループ サステナビリティ・ビジョン」を掲げてそのビジョンの実現に取り組んでいます。
 今回の環境配慮型の新規接着剤は、環境への負荷の低減と持続可能な循環型の資源利用につながる取り組みであり、国内外のお客様と本接着剤を使用した素材の販売拡大や、技術ライセンス提供などといった取り組みを広げることで、地球環境問題の解決と社会の発展に貢献してまいります。

(ご参考) 東レ ウェブサイト  https://www.toray.co.jp/
東レハイブリッドコード ウェブサイト http://www.toray-hybrid.com/

以 上

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