プレスリリース

2017年6月5日

【新製品】高速信号伝送フレキシブルフラットケーブル用基材 カプトン®RRタイプの発売について

 東レ・デュポン株式会社(本社所在地:東京都中央区日本橋本町1-1-1, 社長 森本和雄、以下「東レ・デュポン」)は、このたび、高速信号伝送フレキシブルフラットケーブル用の絶縁フィルムとして、低誘電率、高寸法精度を特長とする接着剤付きポリイミドフィルム カプトン®RRタイプを発売します。

 高精細化が進展するテレビ機器においては、画像データ量の増大に伴い、機器内部の基板間の配線として、高速信号伝送性に優れる「高速信号伝送フレキシブルフラットケーブル」に対するニーズが高まっています。

 特に2018年12月に本放送の開始が計画されている8Kテレビにおいては、例えば143Gbpsもの映像信号データレートの伝送が必要(*1)となり、従来のケーブルでは、伝送データ品質の低下や、テレビ機器内の回路基板設計や配線基板設計が複雑になり、また部品点数も増大することが懸念されています。

 このたび発売するカプトン®RRタイプは、ポリイミドフィルムであるカプトン®と接着剤からなる複合フィルムであり、増大する高速伝送へのニーズに応えることを目的として東レ・デュポン独自技術を盛り込み、フレキシブルフラットケーブルを構成する絶縁材料として開発しました。電気特性(誘電率2.1、誘電正接0.002)と高寸法安定性を両立したフィルム材料であり、フレキシブルフラットケーブルの信号伝送特性を大幅に向上させることが可能となります。

 従来の高速対応素材を用いたフレキシブルフラットケーブルに比べ、同一構造で約2倍以上(*1)の高速信号伝送が可能となり、部品点数の削減と画像品質の向上に貢献することが出来ます。
また、カプトン®RRタイプは、高速伝送用フレキシブルフラットケーブルに必要とされる低誘電性、寸法安定性、難燃性に加え、ハロゲンフリーの素材で、環境にも優しい素材となっています。

 東レ・デュポンでは、来るべき8Kテレビの普及に向け、ザインエレクトロニクス株式会社(*2)が2017年3月29日に発表した4K, 8K映像向け次世代高速インターフェース規格V-by-One® US(*3)への適用検討をザインエレクトロニクス株式会社、および株式会社オフィスECW(*4)とともに推進しています。

 なお、カプトン®RRタイプの適用範囲は8Kテレビに止まらず、大画面4Kテレビにおけるフレキシブルフラットケーブルの部品点数の削減やHDMI2.0、USB3.1などの次世代高速インターフェース規格を使用する機器への展開も計画しています。

 カプトン®RRタイプは、2017年6月7~9日開催されるJPCA Show 2017(第47回国際電子回路産業展、東京ビッグサイト)に出展予定です。
 ポリイミドフィルム カプトン®は、1966年に米国デュポン社によってはじめて商業化されて以来、工業用フィルムでは最高の耐熱性、耐寒性に加え、優れた物理的、電気的、化学的特性を有する先端材料として、航空・宇宙から半導体までの幅広い分野で貢献しています。日本市場では1985年以来、東レ・デュポンが製造・販売を行っており、主に、エレクトロニクス関連の回路素材として、フレキシブルプリント回路(FPC)やICパッケージを中心に用途を広げています。

 カプトン®RRタイプの詳細は下記の通りです。

1.商品名 : フレキシブルフラットケーブル用基材 カプトン®RR
2.特長 : (1)高速信号伝送に優れたフレキシブルフラットケーブルが製造可能です。
(2)高寸法精度により、製品のピッチ精度向上に寄与します。
(3)耐熱性に優れます。
(4)ハロゲンフリーの基材です。
3.発売時期 : 2017年5月

 東レ・デュポン株式会社は日本の先端材素材のリーディングカンパニーである東レと世界屈指のサイエンスカンパニーである米国デュポン社の折半出資により、1964年に誕生した合弁会社です。最高品質の高機能商品を提供することで、お客様の製品の付加価値を高めることが当社の基本理念です。
 私たちは、この理念のもと、時代のニーズを先取りする革新的で独創的な製品をお届けするため、努力をつづけています。

(*1) 記載の内容は、東レ・デュポン株式会社、および株式会社オフィスECWで測定したデータに基づくものであり、製品の性能を保証するものではありません。
(*2) ザインエレクトロニクス株式会社
本社所在地:東京都千代田区神田美土代町9番地1, 代表取締役社長 高田 康裕
高速インターフェースや画像処理の分野で世界をリードするミックスドシグナルLSI企業
(*3) V-by-One® US
ザインエレクトロニクス株式会社が策定した4K, 8K映像向け次世代高速インターフェース規格であり、現在の4KテレビでデファクトスタンダードとなっているV-by-One® HSに続くインターフェース規格です。
(*4) 株式会社オフィスECW
代表取締役 堆 信仁
電子機器用配線材の開発、設計技術コンサルタント

カプトン®は、米国デュポン社の登録商標です。
V-by-One®は、ザインエレクトロニクス株式会社の登録商標です。

写真:カプトン®RRタイプを絶縁フィルムとして使用した高速信号伝送フレキシブルフラットケーブル


【本件に関するお問い合わせ先】 東レ・デュポン株式会社 カプトン営業部 日高
TEL 03-3245-6426 FAX 03-3245-5050

デュポン、デュポンオーバル・ロゴ、カプトン®、およびケブラー®は、DuPont de Nemours, Inc.の関連会社の商標又は登録商標です。
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